会社法468条
会社法468条 (事業譲渡・譲受け/承認を要しない場合)
会社法
第2編 株式会社
第7章 事業の譲渡等
(事業譲渡等の承認を要しない場合)
第468条 前条の規定は、同条第1項第1号から第4号までに掲げる行為(以下この章において「事業譲渡等」という。)に係る契約の相手方が当該事業譲渡等をする株式会社の特別支配会社(ある株式会社の総株主の議決権の10分の9(これを上回る割合を当該株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)以上を他の会社及び当該他の会社が発行済株式の全部を有する株式会社その他これに準ずるものとして法務省令で定める法人が有している場合における当該他の会社をいう。以下同じ。)である場合には、適用しない。
2 前条の規定は、同条第1項第3号に掲げる行為をする場合において、第1号に掲げる額の第2号に掲げる額に対する割合が5分の1(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えないときは、適用しない。
一 当該他の会社の事業の全部の対価として交付する財産の帳簿価額の合計額
二 当該株式会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額
3 前項に規定する場合において、法務省令で定める数の株式(前条第1項の株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)を有する株主が次条第3項の規定による通知又は同条第4項の公告の日から2週間以内に前条第1項第3号に掲げる行為に反対する旨を当該行為をする株式会社に対し通知したときは、当該株式会社は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、当該行為に係る契約の承認を受けなければならない。
《言葉の定義》
特別支配会社
…ある株式会社の総株主の議決権の10分の9以上を
他の会社及び当該他の会社が発行済株式の全部を有する株式会社その他これに準ずるものとして法務省令で定める法人が有している場合における当該他の会社をいう。
(10分の9を上回る割合を当該株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)
つまり、例えば、
A社の議決権のある株式の90%以上を、
B社が単独で、またはB社とその完全子会社による共同で保有している場合の
B社を、「特別支配会社」といいます。
《前条1項1号~4号》
① 事業の「全部の譲渡」
② 事業の「重要な一部の譲渡」
(譲渡する資産の帳簿価額が、会社の総資産額の「5分の1」を超えない場合を除く。)
(「5分の1」を下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)
③ 他の会社(法人)の事業の「全部の譲受け」
④ 事業の全部の賃貸、事業の全部の経営の委任、
他人と事業上の損益の全部を共通にする契約、
その他これらに準ずる契約の「締結」、「変更」又は「解約」
1.
前条1項1号~4号の行為(①~④)については
それに係る契約の相手方が「特別支配会社」である場合は、
「株主総会決議が必要」とする前条規定は適用されません。(株主総会決議は不要)
2.
前条1項3号の行為(③)については
以下のⅠ)の額の、Ⅱ)の額に対する割合が「5分の1」を超えないときは、適用しません。
(株主総会決議は不要)
(5分の1を下回る割合を定款で定めることができます。)
Ⅰ)当該他の会社の事業の全部の「対価として交付する財産の帳簿価額の合計額」
Ⅱ)当該株式会社の「純資産額」として法務省令で定める方法により算定される額
3.
2.の場合において、
法務省令で定める「一定数の株式」を有する株主が
③についての「通知」又は「公告」の日から2週間以内に
③に「反対する旨」を会社に対し通知したときは、
効力発生日の前日までに、「株主総会の決議」(特別決議)によって、
③に係る契約の承認を受けなければなりません。