会社法の条文と解説

募集設立

会社法 > 会社法入門 > 会社設立 > 募集設立

募集設立

会社設立の流れ

募集設立とは

募集設立」は、発起設立と異なり
発起人は、会社設立に際して会社が発行する株式の一部を引き受けるにとどまり
その他の株式については株主を募集することになります。

会社設立手順においては
「定款の作成」⇒「定款の公証人による認証」⇒「発起人による株式引受・出資の履行」までは、発起設立も募集設立も同様ですが
それ以後の手続において異なってきます。

では募集設立について、「発起人による株式引受・出資の履行」以降の流れについて見て行きましょう。

①株式引受人の募集

募集設立では、発起人は1株以上の引受をする義務がありますが
それ以外については株式引受人を募集することになります。

募集方法については制限はありませんので、
家族等の縁故による私募でも
公募といって不特定多数の者に募集を行ってもかまいません。

募集にあたっては、発起人全員が同意して、
募集する株式の数、払込金額、金銭の支払い期日・期間などを決定します。(会社法58条

②割当て、通知、払込み

募集に対して、株主を引き受けようとする者が申し込みを行います。

書面で(発起人の承諾がある場合は電磁的方法で)引受の申込があると、
発起人は、申込者の中から割当てを行い、
「引き受けさせる者」(させない者)、
「引受人に何株引き受けさせるか」を定め(「割当て自由の原則」、会社法56条)、
引受を行う者に割当て株式数を通知します。(会社法56条会社法62条

割当てによって、株式申込人は「株式引受人」となり、
株式払込金額の全額の払い込み義務を負うことになります。(会社法63条

もし、引受人がこの払い込みをしない場合は
当然に株主となる権利を失います。(打ち切り発行)

株式払込金保管証明書

募集設立の場合は
発起人は、払込取扱金融機関に対して
払い込まれた金銭の「保管証明」の交付を請求することができます。(会社法64条

この証明をした金融機関は、
その記載が事実と異なっていたり、払い込まれた金銭に返還制限がついていたりしたとしても
成立後の会社に対して、その旨の主張をすることができません。

この規定の趣旨は、
金融機関と株式引受人の共謀による払い込みの仮想を防ぎ、
設立会社の財産を確保することにあります。
(例えば、払込みが、実際には行われておらず、
 金融機関から引受人への融資によって払い込まれた形をとっている、などの防止)

また、同様の趣旨から、
株式の払い込みについて相殺は認められておらず
実際に、指定金融機関で払い込むことが必要となります。

創立総会

発起人は、払込期日または払込期間の末日以降、遅滞なく創立総会」を招集します。
会社法65条

創立総会は、株主総会の前身にあたり、会社をスタートする上で慎重を要することから
決議要件は厳しく規定されていて、
「議決権総数の過半数の出席」
「出席した設立時株主の議決権の2/3以上の賛成」が必要となります。(会社法73条

創立総会では、発起人が会社設立に関する事項を報告し(会社法87条)、
変態設立事項がある場合は、
検査役の調査報告の内容、弁護士等の証明を記した書面を提出しなければなりません。

そして、設立時取締役等の選任を行い(会社法88条)、
必要があれば、定款の変更、会社設立の廃止を決めることもできます。

設立時取締役は、現物出資等について定められた調査・報告を行い、
それが不当であると認めたときは、創立総会変態設立事項の変更をすることができます。
会社法97条


ページ案内

 ★会社設立の流れ
 ★発起人
 ★定款とは
 ★絶対的記載事項
 ★相対的記載事項
 ★株式発行事項
 ★発起人の株式引受
 ★募集設立 現在のページ
 ★設立登記
 ★設立無効の訴え

会社法
会社法/条文


powered by Quick Homepage Maker 5.2
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional