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株式とは

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株式とは

まず、「株式会社」とは何かを見て行きましょう。

株式会社の特色

たとえば、持分会社の一つである「合名会社」の社員は、
会社がその資金・財産で債務の履行(返済)ができなくなった場合には
「社員個人の財産をもって」債権者に返済する義務があります。(直接責任・無限責任)

一方、「株式会社の社員」である「株主」は、
会社の債権者に対して一切義務を負うことはありません。

つまり、株主は、その有する株式の引受額の出資義務のみを負い、
債権者に対してはなんの責任も負わない、ということです。(有限責任)

債権者側からすれば、ちょっと心もとない感じですよね。

合名会社の債権者であれば、最終的には、その会社の社員の財産が担保となるのに
株式会社に対しては、その会社の財産のみしか担保にならないのですから。

そこで会社法は、
株式会社について「資本金の制度」を設けて債権者保護にあたっています。

株式会社に対し、法定の一定の金額について「公示」することを義務付け、
その金額に見合うだけの財産を、実際に保持するよう規定しているのです。

例えば、
 ・株式払込取扱金融機関からの借入金で株式の払い込みを行ったように仮装する
  「預合い」(あずけあい)を禁じ、反した場合には、懲役、罰金が課される規定、
  (会社法965条
 ・発起人の「現物出資」には裁判所の任命する「検査役」の調査を義務付ける規定、
  (会社法33条
 ・資本金の額を減少するには、「債権者の異議申立て」等の手続きを要する規定、
  (会社法449条
などです。

つまり、株式会社の法律的な特色は、①株式、②株主の有限責任、③資本金の制度、にあり、
その根本に「株式という制度」があるのです。

株式という制度

会社について出資をし、会社を構成しているメンバーを「社員」といいます。
(一般的に使われている、会社の使用人や従業員を指す社員という言葉とは別です。)

株式会社における社員は、「株主」です。

つまり、社員の地位は「株式」であり、
この株式を引受け、払込みをした人が「株主」(=社員)ということです。

株式会社はこのように、社員の地位(=株式)を細分し、単位化しています。

例えば、1万株を発行している会社は
社員の地位を1万個に細分化しているということです。

1株の出資を行っている株主もいれば
10株、100株、1000株出資している株主もいる
ということになります。

このように社員の地位が平等な割合的単位である株式に細分化されていることで
10株持つ株主は、1株持つ株主の10倍の権利があるというように
会社と株主、または株主相互間での法律関係はわかりやすく、処理も簡単になります。

また、会社に出資しようとする者にとっても1株、10株、50株と選択の幅が持てますし、
持分会社の社員と違い、社員の地位である株式の「一部だけ」譲渡する
(保有する10株のうち5株だけ譲渡するなど)
ことができるわけですから、
投資も、その回収も容易になります。

資本金何百億円という会社を誕生させうる背景には
「株式という制度」があるわけです。


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