株式の分割
株式の分割
株式の分割とは、出資単位を細分化すること、
例えば、「それまでの1株を、10株に分ける」ということです。
(株式の併合と逆になります。)
株式分割は、高騰している株価を引き下げて、市場での流通性を高めることなどを
目的として行われます。
つまり、外部からの資金の提供がないまま、株式数だけが増加するということで
株式の細分化ということであり、
株主にとっては、持株数に応じて株式数が無償で増加する形となります。
株式の分割をしようとするときは、その都度、
株主総会の普通決議によって、以下の事項を定めなければなりません。
・分割により増加する「割合」、分割に係る「基準日」
・株式の分割が「効力を生ずる日」
・種類株式発行会社である場合には、「分割する株式の種類」
株式の併合とは違い、株主にとって株式が増加するだけですから悪影響は少ないため
上記事項を、取締役会設置会社にあっては、「取締役会の決議」で定めることができます。
株式の併合 | 株主総会の「特別決議」が必要 (株主の利益に重大な影響があるため) |
株式の分割 | 株主総会の普通決議 (取締役会設置会社では取締役会の決議)で決定 |
株式の無償割当て |
また、株式分割で株式数が増加するわけですから、
「発行可能株式総数」の問題が生じることもあります。
発行可能株式総数は、定款に必ず記載しなければならない事項ですので
もし、株式分割でこの数を超えてしまう場合は
定款の変更が必要となります。
通常は、定款変更には株主総会決議が必要となるわけですが
「株式分割」によって発行可能株式総数を増加させる場合は
(発行可能株式総数に株式分割の「割合」を乗じた範囲で)
株主総会の決議を「しない」で、定款の変更をすることができます。
(会社法184条)