預合い
預合い
株式払込の仮装
株式会社の設立にあたって
株式の払い込みが実際には行われていないにもかかわらず
払い込みがあったように見せかける行為を「株式払込の仮装」といいます。
「預合い」は、この1つで、会社法965条で禁じられています。
どういうやり方がされるかというと
「発起人が」、株式の「払込取扱金融機関」から借り入れをし、
この借入金を払込取扱金融機関に株式払込金とします。
借入金は会社の預金にふりかえてもらい、
この預金は「借入金を返済するまでは引きだしませんという約定」をします。
こうして、会社に株式の払い込みがあったように見せかけるわけです。
預合い禁止と罰則
株式会社の債権者は、会社の財産のみが最終的な担保となります。
(例えば、合名会社の場合は、社員の個人資産が最終的担保です。)
ですから、株式会社の資本金・資本準備金などが公示とおりに「現実に」存在しなければ
債権者が不測の損害を被る可能性が生じるなど取引の安全が損なわれることになります。
会社法は
株式会社の特徴を踏まえた上で
取引の安全を確保し、債権者を保護するのために様々な規定を置いています。
資本金等の公示義務、財産引受についての検査役の調査義務などと並び、
「預合いの禁止」もその一つなのです。
会社法965条は、
会社設立に際して株式の払い込みがあったように見せかける預合いを禁じ、
これを行った発起人と払込取扱金融機関の双方に、
「五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」
と規定しています。