会社法の条文と解説

会社法462条

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会社法462条 (剰余金の配当等に関する責任)

会社法
第2編 株式会社
 第5章 計算等
  第6節 剰余金の配当等に関する責任

(剰余金の配当等に関する責任)

第462条 前条第1項の規定に違反して株式会社が同項各号に掲げる行為をした場合には、当該行為により金銭等の交付を受けた者並びに当該行為に関する職務を行った業務執行者(業務執行取締役(委員会設置会社にあっては、執行役。以下この項において同じ。)その他当該業務執行取締役の行う業務の執行に職務上関与した者として法務省令で定めるものをいう。以下この節において同じ。)及び当該行為が次の各号に掲げるものである場合における当該各号に定める者は、当該株式会社に対し、連帯して、当該金銭等の交付を受けた者が交付を受けた金銭等の帳簿価額に相当する金銭を支払う義務を負う。

一 前条第1項第2号に掲げる行為 次に掲げる者

イ 第156条第1項の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第2号の金銭等の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役(当該株主総会に議案を提案した取締役として法務省令で定めるものをいう。以下この項において同じ。)

ロ 第156条第1項の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第2号の金銭等の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役(当該取締役会に議案を提案した取締役(委員会設置会社にあっては、取締役又は執行役)として法務省令で定めるものをいう。以下この項において同じ。)

二 前条第1項第3号に掲げる行為 次に掲げる者

イ 第157条第1項の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第3号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役

ロ 第157条第1項の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第3号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役

三 前条第1項第4号に掲げる行為 第171条第1項の株主総会(当該株主総会の決議によって定められた同項第1号に規定する取得対価の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合における当該株主総会に限る。)に係る総会議案提案取締役

四 前条第1項第6号に掲げる行為 次に掲げる者

イ 第197条第3項後段の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第2号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役

ロ 第197条第3項後段の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第2号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役

五 前条第1項第7号に掲げる行為 次に掲げる者

イ 第234条第4項後段(第235条第2項において準用する場合を含む。)の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた第234条第4項第2号(第235条第2項において準用する場合を含む。)の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役

ロ 第234条第4項後段(第235条第2項において準用する場合を含む。)の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた第234条第4項第2号(第235条第2項において準用する場合を含む。)の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役

六 前条第1項第8号に掲げる行為 次に掲げる者

イ 第454条第1項の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた配当財産の帳簿価額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役

ロ 第454条第1項の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた配当財産の帳簿価額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役

2 前項の規定にかかわらず、業務執行者及び同項各号に定める者は、その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは、同項の義務を負わない。

3 第1項の規定により業務執行者及び同項各号に定める者の負う義務は、免除することができない。ただし、前条第1項各号に掲げる行為の時における分配可能額を限度として当該義務を免除することについて総株主の同意がある場合は、この限りでない。





1.
「自己株式の買取、剰余金の分配等は、分配可能額を超えて行ってはならない」という
前条(会社法461条)1項の規定に違反した場合には、
以下の者は、会社に対し、連帯して
そのために交付を受けた金銭等の「帳簿価額に相当する金銭」を支払う義務を負います

 ●当該行為により金銭等の交付を受けた者(株主)
 ●当該行為に関する職務を行った業務執行者
 (業務執行取締役、執行役、その他職務上関与した者として法務省令で定めるもの。)
 ●①~⑥の場合における①~⑥に定める者

①「子会社からの自己株式の取得」「市場取引・公開買付けによる自己株式取得」
 ⇒当該事項を決議した「株主総会」(取締役会)の議案を提案した取締役

②「株主との合意による自己株式取得」
 ⇒当該事項を決議した「株主総会」(取締役会)の議案を提案した取締役

③「全部取得条項付種類株式の取得」
 ⇒当該事項を決議した「株主総会」の議案を提案した取締役

④「所在不明株主の株式買取」
 ⇒当該事項を決議した「株主総会」(取締役会)の議案を提案した取締役

⑤「端数処理手続きにおける自己株式買取」
 ⇒当該事項を決議した「株主総会」(取締役会)の議案を提案した取締役

⑥「剰余金の配当」
 ⇒当該事項を決議した「株主総会」(取締役会)の議案を提案した取締役

2.
「業務執行者」及び①~⑥の者は、
「その職務を行うについて注意を怠らなかった」ことを「証明」したときは、
1.の義務を負いません

3.
「業務執行者」及び①~⑥の者の義務は、「免除」することができません

ただし、その行為の時における「分配可能額を限度」として当該義務を免除することについて
「総株主の同意」がある場合は、この限りでありません。


関連ページ

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第4節 剰余金の配当

会社法453条(株主に対する剰余金の配当)
会社法454条(剰余金の配当に関する事項の決定)
会社法455条(金銭分配請求権の行使)
会社法456条(基準株式数を定めた場合の処理)
会社法457条(配当財産の交付の方法等)
会社法458条(適用除外)

第5節 剰余金の配当等を決定する機関の特則
会社法459条(剰余金の配当等/取締役会が決定する定款)
会社法460条株主の権利の制限)

第6節 剰余金の配当等に関する責任
会社法461条(配当等の制限)
会社法462条(剰余金の配当等に関する責任)
会社法463条(株主に対する求償権の制限等)
会社法464条(買取請求/株式を取得した場合の責任)
会社法465条(欠損が生じた場合の責任)

第5章 計算等


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