会社とは
会社とは?
会社の特徴① …社団性
会社法を学ぶにあたって、まず基本的なことから整理してゆきましょう。
「会社とは何でしょうか?」
社屋や工場、倉庫のことでしょうか?
会社で働く役員や従業員のことでしょうか?
ひとことで言えば
「会社とは、営利を目的とする社団法人」です。
経営者や役員は、この社団法人の「機関」であり、
従業員は、法人に雇われている人であり、
社屋や工場などは、法人が所有する物的施設、ということです。
では、「法人」とは何でしょうか?
会社の特徴② …法人性
法律上、「権利や義務の主体となり得る地位・資格」のことを
「権利能力」「法人格」といいます。
法人格(=権利能力)をもつのは
「自然人」と「法人」です。
会社や公益法人などの団体も、
自然人と同様に法律上の権利・義務の主体として法人格を持つわけです。
ただし、すべての団体や組織が法人格を持つわけではなく
法人は、法律によらなければ成立せず、権利・義務の主体となりえません。
(たとえば、「同窓会」などは、団体・組織ではあっても法律上の権利能力は認められず
「権利能力なき社団」と呼ばれます。)
(会社は、設立登記を行うことによって法人格が与えられます。)
会社の場合は、すべて法人とされますので
会社に所属する個々の人ではなく、
「会社が、法律上の権利義務の主体」となるわけです。
会社法3条
会社は、法人とする。
民法33条
法人は、この法律その他の法律の規定によらなければ、成立しない。
では、法人について整理しておきましょう。
法人の分類
法人は、大きく「公法人」と「私法人」に分けられます。
公法人とは、国や地方公共団体(都道府県、市町村)などをいい
私法人は、「財団法人」と「社団法人」に分類されます。
財団法人とは、一定の目的のために供された財産自体に法人格が与えられた団体。
社団法人とは、一定の目的を持つ人の集合体に権利能力が与えられた団体であり、
基本規則であるである定款に従い、その構成員からなる社員総会に基づいて運営される法人。
さらに社団法人は、「公益法人」「営利法人」「中間法人」に分けられ、
会社は、営利を目的とする社団(営利法人)ということになります。
ちょっと込み入ってきたので一覧表化します。
《法人の分類》
法人の分類 | |||
---|---|---|---|
公法人 | 国、地方公共団体(都道府県、市町村)など | ||
私法人 | 財団法人 | 一定の目的のために供された財産自体に法人格が与えられた団体 | |
社団法人 | 公益法人 | 学校法人、宗教法人、社会福祉法人、日本赤十字社、日本新聞協会など | |
営利法人 | 株式会社、合名会社、合資会社、合同会社 | ||
中間法人 | 農業協同組合、労働組合、保険相互会社、中小企業協同組合など |
会社の特徴③ …営利性
上記の通り、会社は、
公益を目的とする「公益法人」や、
公益、営利のいずれも目的としない「中間法人」と異なり、
営利を目的とする法人、ということです。
会社は、会社を構成するメンバー(社員)の私益を目的として経済活動を行い
その利益を、配当などの形で社員に分配するわけです。
相互保険会社や協同組合などは、利益を構成員に分配することを目的にしませんので
会社にはあたらない、ということです。
(ただし、保険会社の多くは、最近、株式会社化して営利目的の法人に転換しています。)
つまり、
会社とは、「法人格を有し、営利を目的とする社団」であるということができ、
その特質として、①社団性、②法人性、③営利性 があるということになります。
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