発起人とは
発起人
発起人とは
会社法は、株式会社の設立について厳格な規定を置いていて
会社設立についてはそれを遵守して手順を踏み、設立登記をすることで
会社が成立することとしています。
そして株式会社の設立手続を進めるのが「発起人」です。
発起人の仕事は、会社設立を目的とする以下の4つです。
・会社の概要を決める
・定款の作成をする
・資本金の振り込みなど出資を行う
・そのほか会社設立に必要な開業準備、営業活動を行う
発起人とは
定款に署名または記名押印した者
(電子定款の場合は、電子署名をした者)
をいいます。(会社法26条)
逆に言うと、会社設立に関与した人であっても
その人が定款に発起人として署名等をしない限りその人は発起人とはいえません。
(発起人としての責任を負う者の範囲を明確にするため、このような規定が置かれています。)
また、発起人は、設立時発行株式を1株以上引き受けなければなりません。
発起人の資格
発起人には資格の制限がありません。
ですから外国人、制限行為能力者、会社であっても発起人になることができます。
未成年者でも法定代理人(親権を行う者)の同意があれば発起人になることができます。
(この場合、法定代理人の同意書、印鑑証明書、戸籍謄本などの書類が必要です。)
発起人の数にも制限がありませんので、1人でもOKです。
発起人組合
発起人が複数いる場合は、
発起人相互間で会社設立を目的とする組合契約を締結して会社設立手続きを進めるのが通常です。
この契約を「発起人組合の契約」といいます。
発起人の責任
会社設立において設立関係者が何らかの問題を起こした場合、他に大きな損害を与えかねません。
そこで会社法は、発起人に対して以下のような重い責任を負わせています。
任務を怠った責任
発起人が、株式会社の設立についてその任務を怠ったときは、
株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負います。(会社法53条1項)
また、第三者に対しても、任務を怠ったことについて
発起人に悪意または重過失があったときは第三者に対して連帯して賠償責任を負います。(会社法53条2項)
この責任が免除されるには、総株主の同意が必要となります。(会社法55条)
財産価格てん補責任
会社設立について現物出資や財産引受があったにもかかわらず
それらの目的となった財産の現実価格が、定款で定めた価額に著しく不足する場合、
発起人らが連帯してその不足分を支払わなければなりません。(会社法52条1項)
これを「財産価格てん補責任」といいます。
ただし、発起設立の場合は
①裁判所の検査役の調査を受けていた場合、
②発起人が職務を行うにつき注意を怠らなかったことを証明した場合、
この責任を免れることができます。
(発起設立の場合は、②については免責を受けることができません。)
会社不成立の場合
会社設立準備をしたものの会社成立に至らなかった場合、
発起人がなした会社設立に関するすべての行為は、発起人が連帯して責任を負うことになります。
設立に要した費用は発起人がすべて負担しなければならず、
株式引受人から払込みを受けていた場合は返還しなければなりません。
疑似発起人の責任
株式募集の広告など株式募集に関する文書に名前をあげ
会社設立を賛助する旨の記載・記録をすることを承認した者(疑似発起人といいます)は
発起人と同一の責任を負うこととなります。
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第2編 株式会社 | |
第1章 設立 | 第1節 総則 |
第2節 定款の作成 | |
第3節 出資 | |
第4節 設立時役員等の選任及び解任 | |
第5節 設立時取締役等による調査 | |
第6節 設立時代表取締役等の選定等 | |
第7節 株式会社の成立 | |
第8節 発起人等の責任等 | |
第9節 募集による設立 |