会社法の条文と解説

会社法796条

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会社法794条 (吸収合併契約等/承認を要しない場合)

会社法
第5編 組織変更、合併、会社分割、株式交換及び株式移転
 第5章 組織変更、合併、会社分割、株式交換及び株式移転の手続
  第2節 吸収合併等の手続

(吸収合併契約等の承認を要しない場合等)

第796条 前条第1項から第3項までの規定は、吸収合併消滅会社、吸収分割会社又は株式交換完全子会社(以下この目において「消滅会社等」という。)が存続株式会社等の特別支配会社である場合には、適用しない。ただし、吸収合併消滅株式会社若しくは株式交換完全子会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社に対して交付する金銭等の全部又は一部が存続株式会社等の譲渡制限株式である場合であって、存続株式会社等が公開会社でないときは、この限りでない。

2 前項本文に規定する場合において、次に掲げる場合であって、存続株式会社等の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、存続株式会社等の株主は、存続株式会社等に対し、吸収合併等をやめることを請求することができる。

一 当該吸収合併等が法令又は定款に違反する場合

二 第749条第1項第2号若しくは第3号、第758条第4号又は第768条第1項第2号若しくは第3号に掲げる事項が存続株式会社等又は消滅会社等の財産の状況その他の事情に照らして著しく不当である場合

3 前条第1項から第3項までの規定は、第1号に掲げる額の第2号に掲げる額に対する割合が5分の1(これを下回る割合を存続株式会社等の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。ただし、同条第2項各号に掲げる場合又は第1項ただし書に規定する場合は、この限りでない。

一 次に掲げる額の合計額

イ 吸収合併消滅株式会社若しくは株式交換完全子会社の株主、吸収合併消滅持分会社の社員又は吸収分割会社(以下この号において「消滅会社等の株主等」という。)に対して交付する存続株式会社等の株式の数に一株当たり純資産額を乗じて得た額

ロ 消滅会社等の株主等に対して交付する存続株式会社等の社債、新株予約権又は新株予約権付社債の帳簿価額の合計額

ハ 消滅会社等の株主等に対して交付する存続株式会社等の株式等以外の財産の帳簿価額の合計額

二 存続株式会社等の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額

4 前項本文に規定する場合において、法務省令で定める数の株式(前条第1項の株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)を有する株主が次条第3項の規定による通知又は同条第4項の公告の日から2週間以内に吸収合併等に反対する旨を存続株式会社等に対し通知したときは、当該存続株式会社等は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、吸収合併契約等の承認を受けなければならない。





《言葉の定義》
消滅会社等
…「吸収合併消滅会社」「吸収分割会社」「株式交換完全子会社」
 を指します。 (会社法・5編5章2節における用語)

消滅会社等の株主等
…「吸収合併消滅株式会社若しくは株式交換完全子会社の株主」、
 「吸収合併消滅持分会社の社員」又は「吸収分割会社」
 を指します。 (会社法796条における用語)


1.
会社法795条1項~3項までの規定は、
消滅会社等」が、「存続株式会社等特別支配会社」である場合には、
適用しません

ただし、
消滅会社等の株主等」に対して交付する金銭等の全部又は一部が、
存続株式会社等の「譲渡制限株式」であり、
存続株式会社等が「公開会社でない」ときは、この限りでありません。

2.
1.1本文に規定する場合において、
以下の場合であって、存続株式会社等の株主が「不利益を受けるおそれがある」ときは、
存続株式会社等の株主は
存続株式会社等に対し、吸収合併等を「やめることを請求」することができます

吸収合併等法令・定款に違反する場合

② 消滅会社等の株主・社員、吸収分割会社、に「交付する金銭等」に関する事項
(会社法749条1項2号・3号、会社法758条4号、会社法768条1項2号・第3号)
が、存続株式会社等又は消滅会社等の「財産の状況」「その他の事情」に照らして
著しく不当である場合

3.
会社法795条1項~3項までの規定は、
Ⅰの額の、Ⅱ額に対する割合が、「5分の1」を超えない場合には、
適用しません。

(5分の1を下回る割合を存続株式会社等の定款で定めることができます。)

ただし、会社法795条2項各号に掲げる場合又は1.ただし書に規定する場合は、
この限りでありません。

Ⅰ イロハの合計額

イ 「消滅会社等の株主等」に交付する存続株式会社等の「株式の数」に
  「一株当たり純資産額を乗じて得た額

ロ 「消滅会社等の株主等」に交付する
  存続株式会社等の「社債」「新株予約権」「新株予約権付社債」の
  「帳簿価額の合計額

ハ 「消滅会社等の株主等」に交付する
  存続株式会社等の「株式等以外の財産」の「帳簿価額の合計額

Ⅱ 存続株式会社等の「純資産額」として法務省令で定める方法により算定される額

4.
3.の本文に規定する場合において、
法務省令で定める数の株式を有する株主が
会社法797条3項・4項の「株主への吸収合併等の通知・公告」の日から2週間以内に
吸収合併等に反対する旨を存続株式会社等に対し通知したときは、
存続株式会社等は、効力発生日の前日までに、
株主総会の決議(特別決議によって、
吸収合併契約等の「承認」を受けなければなりません。


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