会社法の条文と解説

会社法635条

会社法 > 会社法/条文 > 会社法635条(条文と解説)

会社法635条 (合同会社/持分の払戻し/債権者の異議)

会社法
第3編 持分会社
 第5章 計算等
  第7節 合同会社の計算等に関する特則

(債権者の異議)

第635条 合同会社が持分の払戻しにより社員に対して交付する金銭等の帳簿価額(以下この款において「持分払戻額」という。)が当該持分の払戻しをする日における剰余金額を超える場合には、当該合同会社の債権者は、当該合同会社に対し、持分の払戻しについて異議を述べることができる。

2 前項に規定する場合には、合同会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。ただし、第2号の期間は、1箇月(持分払戻額が当該合同会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額を超える場合にあっては、2箇月)を下ることができない。

一 当該剰余金額を超える持分の払戻しの内容

二 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨

3 前項の規定にかかわらず、合同会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第939条第1項の規定による定款の定めに従い、同項第2号又は第3号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。ただし、持分払戻額が当該合同会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額を超える場合は、この限りでない。

4 債権者が第2項第2号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該持分の払戻しについて承認をしたものとみなす。

5 債権者が第2項第2号の期間内に異議を述べたときは、合同会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。ただし、持分払戻額が当該合同会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額を超えない場合において、当該持分の払戻しをしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。





《言葉の定義》
持分払戻額
…合同会社が「持分の払戻し」により社員に対して交付する金銭等の帳簿価額

1.
合同会社の「持分払戻額」が、
持分の払戻しをする日における「剰余金額」を超える場合には、
合同会社の「債権者」は、当該合同会社に対し、
持分の払戻しについて「異議」を述べることができます。

2.
1.に規定する場合には、
合同会社は、①②を、「官報に公告」し、
かつ、知れている債権者には、「各別にこれを催告」しなければなりません。

① 当該剰余金額を超える持分の払戻しの内容

② 債権者が「一定の期間内」に異議を述べることができる
 (この「一定の期間」は、1箇月を下ることができません。)
 (持分払戻額が純資産額を超える場合は「2箇月」を下ることができません。)

3.
2.の規定にかかわらず、合同会社が2.の「公告」を、官報のほか
第939条第1項の規定による定款の定めに従い、
時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法
または「電子公告」によりするときは、
2.の規定による「各別の催告」は、することを要しません

ただし、「持分払戻額」が
合同会社の「純資産額」として法務省令で定める方法により算定される額を超える場合は、
この限りでありません。

4.
債権者が「2.②の期間内に異議を述べなかった」ときは、
債権者は、「持分の払戻しについて承認」をしたものとみなします。

5.
債権者が「2.②の期間内に異議を述べた」ときは、
合同会社は、当該「債権者」に対し、
弁済
相当の担保を提供
・債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託
のいずれかをしなければなりません。

ただし、「持分払戻額」が
合同会社の「純資産額」として法務省令で定める方法により算定される額を「超えない」場合、
持分の払戻しをしても債権者を害する「おそれがない」ときは、
この限りでありません。


関連ページ

第3編 持分会社
第5章 計算等
  第7節 合同会社の計算等に関する特則

第1款 計算書類の閲覧に関する特則
会社法625条
第2款 資本金の額の減少に関する特則
会社法626条(出資・持分の払戻し/資本金の減少)
会社法627条(債権者の異議)
第3款 利益の配当に関する特則
会社法628条(利益の配当の制限)
会社法629条(利益の配当に関する責任)
会社法630条(社員に対する求償権の制限等)
会社法631条(欠損が生じた場合の責任)
第4款 出資の払戻しに関する特則
会社法632条(出資の払戻しの制限)
会社法633条(出資の払戻しに関する社員の責任)
会社法634条(社員に対する求償権の制限等)
第5款 退社に伴う持分の払戻しに関する特則
会社法635条(債権者の異議)
会社法636条(業務を執行する社員の責任)

《第5編 持分会社》


powered by Quick Homepage Maker 5.2
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional