会社法の条文と解説

会社法425条

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会社法425条 (役員等の損害賠償責任の一部免除)

会社法
第2編 株式会社
 第4章 機関
  第11節 役員等の損害賠償責任

(責任の一部免除)

第425条 前条の規定にかかわらず、第423条第1項の責任は、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、賠償の責任を負う額から次に掲げる額の合計額(第427条第1項において「最低責任限度額」という。)を控除して得た額を限度として、株主総会の決議によって免除することができる。

一 当該役員等がその在職中に株式会社から職務執行の対価として受け、又は受けるべき財産上の利益の1年間当たりの額に相当する額として法務省令で定める方法により算定される額に、次のイからハまでに掲げる役員等の区分に応じ、当該イからハまでに定める数を乗じて得た額

イ 代表取締役又は代表執行役 六

ロ 代表取締役以外の取締役(社外取締役を除く。)又は代表執行役以外の執行役 四

ハ 社外取締役、会計参与、監査役又は会計監査人 二

二 当該役員等が当該株式会社の新株予約権を引き受けた場合(第238条第3項各号に掲げる場合に限る。)における当該新株予約権に関する財産上の利益に相当する額として法務省令で定める方法により算定される額

2 前項の場合には、取締役は、同項の株主総会において次に掲げる事項を開示しなければならない。

一 責任の原因となった事実及び賠償の責任を負う額

二 前項の規定により免除することができる額の限度及びその算定の根拠

三 責任を免除すべき理由及び免除額

3 監査役設置会社又は委員会設置会社においては、取締役は、第423条第1項の責任の免除(取締役(監査委員であるものを除く。)及び執行役の責任の免除に限る。)に関する議案を株主総会に提出するには、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者の同意を得なければならない。

一 監査役設置会社 監査役(監査役が2人以上ある場合にあっては、各監査役)

二 委員会設置会社 各監査委員

4 第1項の決議があった場合において、株式会社が当該決議後に同項の役員等に対し退職慰労金その他の法務省令で定める財産上の利益を与えるときは、株主総会の承認を受けなければならない。当該役員等が同項第2号の新株予約権を当該決議後に行使し、又は譲渡するときも同様とする。

5 第1項の決議があった場合において、当該役員等が前項の新株予約権を表示する新株予約権証券を所持するときは、当該役員等は、遅滞なく、当該新株予約権証券を株式会社に対し預託しなければならない。この場合において、当該役員等は、同項の譲渡について同項の承認を受けた後でなければ、当該新株予約権証券の返還を求めることができない。





1.
「役員等の損害賠償責任は、総株主の同意がなければ免除されない」
という前条(会社法424条)の規定にかかわらず、

役員等が任務を怠ったときの損害賠償責任は、(会社法423条1項)
役員等が職務を行うにつき「善意」かつ「重大な過失がない」ときは、

「賠償の責任を負う額」から「以下の額の合計額」(最低責任限度額)を
控除して得た額」を限度として、
株主総会の決議」によって「免除」することができます

①役員等が、在職中に会社から「職務執行の対価」として受け、又は受けるべき
財産上の利益の「1年間当たりの額」に相当する額として算定される額に、
次のイからハまでに掲げる役員等の区分に応じ、「イからハまでに定める数」を「乗じて得た額

イ 代表取締役、代表執行役 ⇒ 6

ロ 代表取締役「以外」の取締役(社外取締役を除く。)、代表執行役以外の執行役 
  ⇒ 4

ハ 社外取締役、会計参与、監査役、会計監査人 ⇒ 2

② 役員等が会社の「新株予約権」を有利な条件で引き受けた場合における
この新株予約権に関する「財産上の利益に相当する額」として算定される額

2.
1.の場合には、
取締役は、「株主総会」において以下の事項を開示しなければなりません。

①責任の「原因となった事実」、「賠償の責任を負う額」

② 1.の規定により「免除することができる額の限度」「その算定の根拠」

③「責任を免除すべき理由」「免除額」

3.
「監査役」設置会社、「委員会」設置会社においては、
取締役は、
取締役(監査委員であるものを除く。)、執行役の損害賠償責任の「免除にに関する議案」を
株主総会に提出するには
以下の株式会社の区分に応じ、以下に定める者の「同意」を得なければなりません

①「監査役」設置会社 ⇒監査役(監査役が2人以上ある場合は、各監査役)

②「委員会」設置会社 ⇒各監査委員

4.
1.の決議があった場合において、
株式会社が、当該決議後に、
この役員等に対し「退職慰労金」「その他の財産上の利益」を与えるときは、
株主総会の承認を受けなければなりません。

この役員等が1.②の新株予約権を当該決議後に行使し、又は譲渡するときも
株主総会の承認を受けなければなりません。

5.
1.の決議があった場合において、
この役員等が、4.の新株予約権を表示する「新株予約権証券」を所持するときは、
この役員等は、遅滞なく、当該新株予約権証券を会社に「預託」しなければなりません。

この場合において、当該役員等は、譲渡について4.の承認を受けた後でなければ、
当該新株予約権証券の返還を求めることができません




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